伊豆急行線では私鉄線では珍しく頻繁に御召列車が乗り入れます。理由は下田市の須崎に御用邸があるからであり、こちらの須崎御用邸は沼津御用邸が廃止以降の昭和46年に建てられました。
皇居の様に中に入れる訳ではありませんが、天皇家のご静養地が伊豆の下田にあるというのは少し気になるものです。今回は外観を眺めながらご静養地を感じてみたいと思います。
バス通りに面したこちらが正門です。天皇陛下御一家がお越しになられる時は、車列はここから御用邸内に入ります。そして横にはポリスボックスが設置されています。我々観光客が見れるのはここまでとなります。
「皇宮警察本部須崎御用邸正門警備派出所」とあります。天皇家の敷地内は静岡県警ではなく皇宮警察の管轄になります。東京の皇居や御所も勿論、奈良の正倉院も皇宮警察の管轄です。
「こち亀」のタイトルの様に昔は街で見かける交番も派出所という名称でしたが、愛称であった交番に現在は名称が変更になっています。しかし古い交番に行くと派出所の文字跡が僅かに残っていたりします。
元三井財閥の別荘地を国有化して作られた御用邸とのことですが、敷地が広大な為周囲にはこうした簡易的なポリスボックスも各所に設置され、天皇御一家がご滞在時には24時間態勢で警備に当たられるものと思われます。
そして当然ですが、敷地内は立入禁止です。宮内庁、皇宮警察、静岡県警の連名となっていますが、先程も書きましたが、敷地内を管轄するのは皇宮警察です。そして静岡県警が外周を管轄しています。
しかし管轄といっても警衛にはお互いの協力体制も必要で、例えば伊豆急下田駅からここ御用邸までのご異動では、沿道警備は静岡県警が主体となりますが、車列には皇宮警察も護衛に入りますし、もっと言うと警視庁の警備部警衛課も護衛に加わります。
ちなみに警視庁、静岡県警の警察官はキャリアや警視正以上を除けば都や県に採用された地方公務員です。しかし皇宮警察は警察庁の付属機関で立場は国家公務員となります。そして警察官ではなく皇宮護衛官という名称になります。
皇宮警察は同じ警察といっても、街で見かける「身近なお巡りさん」とは少し立場が異なります。
折角なので、御用邸脇の須崎九十浜ビーチから海を眺めてみます。天皇御一家もご静養中はこんな景色を御用邸内からご覧になられるのかもしれません。但し御用邸はここから比べるとかなり高い位置になりますので、見え方も異なりもっと遠くが見渡せるのではないかと思います。
隣の駐車場内には下田市グリーンエリアヘリポートもありますが、こちらは下田市の防災計画の中に織り込まれていますので、御用邸がある特殊な場所柄ですが、御用邸の存在とは直接は関係無さそうです。
なおこちらの駐車場は無料で駐車出来ます。
最後に天皇家対象の警衛ではなく、要人対象の警護訓練の模様ですが、静岡県警の訓練の模様をご紹介します。この訓練では不審車両が車列に向かって来た際に、警護対象を護りつつ不審者を制圧検挙します。
民間人が警衛の訓練を見れる機会というのは殆ど無い訳ですが、万一に備えこうした訓練を警視庁や県警の警備部では常日頃から実施しています。
ここへ来ても海が見える訳でも無し、魚が美味しい訳でもありませんが、下田ならではスポットということでご紹介致しました。
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